back 代表理事 相澤英之 のメッセージ
       「地声寸言」
  2017.06.02リリース

第二百五十八回 <カジノ>
 「カジノを認める」法案が何とか国会で可決されるような空気なので、いろいろ考えていることは後日にして、取り敢えず反対の考えを述べておく。
 ご承知のとおり、日本では賭博は原則として、競馬、競輪などの公営競技を除き、原則として禁止されている。
 カジノの導入を認めるか、どうかについても、長いこと各所で議論が行われていた。
 外国でも認めている国が少なくないのだから、認めてもいいではないか、という議論は以前からある。
 ルーレット、バカラ、ブラックジャックなど賭博としても面白いものである。言う必要はないのかも知れないが、私自身、賭は大好きであるし、競馬場へは二十代から通ったこともあるし、賭博ではないが、碁、将棋、マージャン、花札、トランプなどの勝負事は殆んどやったし、又、外国へ行って、そこのカジノがあれば、必ずといっても良いくらい通った。だから、カジノについても、多少ものを言う資格はあるのかな、と思っている。
 今から六〇年以上も前に、友人に誘われて、パリ郊外のカジノへ行き、アッと言う間に、当時の金で二十万円儲けたので、すっかり味をしめたのが初めであった。それからは外国出張の度に時間があれば、カジノには顔を出した。ラスベガスでは飛行機に乗る間際までやっていたこともある。
 いわゆるビギナー・ウインでもあったのだろうか、パリでしめた味は、なかなか忘れなかった。
 中山、府中にも通った。しかし、今は、土・日をつぶして出かけるのは憶却であるし、時間の損とも思うようになって、今はピッタリと止めるようになったが、G1レースなどの記事を新聞でみると、血が騒がないでもない。
 然し、子供の頃、私は、根岸競馬場の近くに住んでいて、当時宮様方が車を連らねて観戦に来られた競馬場の近くに、横浜でも有名な貪民窟があったのも忘れられない。
 当時、馬券は種類が少なかったが、一枚二〇円であった。金がない連中は、その一枚が買えないので、四人で一ピキ、つまり一人が一脚づつ券を買うのである。それでも当時五円はなかなか大金である。朝御飯を食べて、その残りを入れたまゝの釜ごと運んで質屋で金を借りてくる。泣き叫ぶ女房の着物をかついで質草に運んで行く。そういう姿もいろいろ見て来た。
 カジノを認める利点は、いろいろ事前に言われている。それは、否定しない。しかし、マイナス面も少なくないと思う。
 今は知らないが、昔は、パリなどは、旅券を持つ外国人だけの入場を認めていた。日本ではそうもゆくまい。入場者を制限するとなれば、又、やかましい一騒動になる。そんなことをして、どれだけ、国の財政に役に立つのだろう。疑問に思わざるおえない。
 たまに外国へ行ったついでに、カジノで遊んでくるぐらいが丁度良いのではないか。
 敢えて、カジノの導入に反対する所以である。
 
 


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