back 代表理事 相澤英之 のメッセージ
       「地声寸言」
  2016.10.17リリース

第二百五十一回 <P・R>
 真実は敢てP・Rしなくとも、そのうち明らかになる。というのは嘘ではないし、そうありたいものだ、と思っている。
 しかし、私は、そんな悠長なことではダメなことを痛感するようになった。
 ことは、とくに国際間の問題である。私は、戦後、ソ連に抑留され、三年近くも歸してくれなかった。六〇万人の抑留者の一割がダモイ(歸国)も叶わず、あったら酷寒地で、飢餓などのために生命を失ったのである。日本の降伏を知ったので日ソ不可侵条約を一方的に破り、無抵抗の日本軍に襲いかかって来て、ポツダム宣言に違反し、日本の内地へ速やかに歸すどころか、ソ連領奥深く運んで一割も死なせるという不法な行為をしたのである。
 世界中の多くの人々、そして日本人も亦戦斗の末に日本軍が白旗を揚げたものと思っている人が多いと思っている。
 われわれは捕虜ではない、不法被抑留者である。
 いくら全面降伏をしたとは言え。ことの眞実を、日本は、とくに外務省などは世界に向けてP・Rをしなかったのだろうか、もっと、もっと眞実を訴へ、賠償を請求すべき問題である。永い歴史が証明しているように千島(北方四島だけではない)は明らかに日本の領土である。ソ連は戦後勝手に侵入して来て、恰もソ連の領土であるかのごとく、一方的な実効支配なるものを年々歳々強化して来ているのである。
 昭和三十年の日ソ共同宣言では、何故か二島の返還にしか触れていない。何故四島のみならず、千島列島全島の返還を約束させることができなかったのか。
 ロシアの領土は、広大である。広大過ぎることは明らかである。占領に多くの犠牲を出したアメリカでさえ、沖縄は返還したではないか。
 何と言っても負けたから仕方ない、とは言わせない。それでよしと言うなら、世界中、領土問題の解決には戦争をしなければならない。
 竹島も同じように、朝鮮に掠め取られている。これ又、歴史的にも日本の領土であることは明らかではないか。尖閣列島でさえ、何だかじりじりと中国の包国網によって実効支配の危機にさらされて来ているではないか。
 今頃余り関係もないような国々を訪ね、気前よく経済協力の約束などをしている安倍外交は、黙って見ているだけでいいのであろうか。勢力を日本の領土問題の解決に盡すべきではないのか。
 ともあれ、領土問題については、日本はもっと眞実を世界中の人々に知って貰う努力をしなければならないと思う。又、アメリカだけを頼りにしていてもダメではないか。日本はアメリカの属国ではない。アメリカは日本を守る「お犬さま」である、とかいうとぼけた答弁をして済ませる今の時代ではない、と思う。
 いくら連帯の姿を明らかにしても、所詮外国である。いざという時、日本を全面的に護ってくれるという保証はない。若し、そう思っていたら、日本は大へんおめでたい国である。
 
 


戻る