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相澤英之 のメッセージ 「地声寸言」 |
2016.06.08リリース |
第二百四十六回 <農地集約> |
今日(五月二十一日)の日経に「農地集約自治体に促す」という見出しで記事が出ていた。
「賃貸仲介で補助増、所有者不明地の解消を探す」という副題がついていた。 賛成である。 しかし一言言えば、農地の集約を図り、農業の規模を拡大し、機械化、合理化を進めなければならないのは、もう前からわかり切ったことである。 が、それがなかなか実現しないのは、自治体の責任などと言うより、農林省の問題だと思う。 昔とは随分違って来たとは思うが、農業団体の組織など中心的な構造の改革を図って行かなければならないと思っている。 戦後の自作農維持、創設を主眼とする農業の大改革の思想的残滓は薄れて来たとは言え、農業の思い切った近代化を図るためには、それ相当の犠牲も覚悟しなければならないと思う。 農地の転用、貸賃、売買の自由化など制度改革に思い切って踏み出す必要があると思う。 私も、主計局で農業予算を長いこと担当したし、又、三十年に近い衆議院議員としての経験からして、今なお政治的にも幾多の抵抗があることはわかっているが、そういう障碍を踏み越えて前進しなければならない時期に来ているのではないか。 日本の少子化現象は、その子供が大きくなるにつれて労働力の低下現象になって行くことは明らかである。農業に限らない。その及ぼす影響は充分考えて、今から対策を考えて行かなければならない。国の責任である。政治の責任である。 自民党の一強化が問題とされている。しかし、それなればこそ、農政も根本的な改革を図る好機ではないか。 中央に農政改革のための検討組織を作って、具体策を早急に検討して貰いたい。 |