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相澤英之 のメッセージ 「地声寸言」 |
2016.06.06リリース |
第二百四十三回 <地震> |
昔から恐いものは、地震、雷、火事、おやじと言ったものだが。
このうち、最も防ぎ難いものは地震であることを身に染めて感じるようになった。地震の予知が大事なことは言うまでもないので、国の予算の面でも、その方面の研究にはかなりの予算を注ぎ込んで来たが、正直なところ予知は今でも大へん難しいことを正直に研究者は洩らしている。 火山地帯の上に乗っかっているような島国であるから、温泉に恵まれていると同時に地震も少なくない。 予知ができれば、予防もできるが、それが難しいとあれば、地震発生の可能性を前提として対策を考えざるをえない。前回の三陸津波―東日本大震災後、海岸線に沿って万里の長城と見まがおうばかりの堰堤を築く計画が樹てられ、実行に移されている。 私は、昭和三十五年のチリ津波の後、被害状況の視察に数日間、具に三陸海岸を視察に歩いたが、海岸線での復旧はムダで、少なくとも住宅地域は山側の高い所に全面移転すべきことを痛感し、出張報告もしたが、どうも、故旧忘れ難く、どうしても昔から住んでいた地域から離れ難いのはわからないでもないが、敢て国家百年の計を図る決心で新天地を開拓した方がよいのではないかと思った。 そして又言えることは、どんなに事前に用意をしていても万全な対策を構じることは先ず無理なので、要は、災害が起った時に最早事後処置ができるように、できるだけ万全の用意を調えておくことが必要だと思われる。例えば現在も国は損害保険の再保をしているが、現在の限度額は民間を合わせて一一・三兆円となっているが、災害が起きたら、細かい査定は後まわしにしても、できるだけ早急に支出するとか、又、反対の意見を持っている地方自治体の首長方もおられるが、そこは国の判断で、地方自治体から要請がなくとも自衛隊が救助に出動できるように法改正をしておくとか、いろいろ考えつく手段はあると思う。 重大な災害が発生した際は、個々の自治体内の甲論乙駁に時間を無駄にして対策の遅れを招かないように、国の権力で所要の処置をとれるように法制を整えておくとかも考えておかなければならないと思う。 |