back 代表理事 相澤英之 のメッセージ
       「地声寸言」
  2016.03.24リリース

第二百三十八回 <ふるさと納税>
 ふるさと納税なる制度に私はこの欄で反対の意見を表明しておいたが、特産品などを贈る「返礼品」でふるさと納税が全国的なブームになるような気配であった。
 特に東日本大震災の直後には、復興に役立ててもらおうと全国から多額の善意が寄せられたが、一時的な急増にとどまった、という。返礼品を贈る余裕のない被災自治体があおりを受けているとのことである。
 そもそも納税は言うまでもなく国民の義務であり、法律で納める先も納める金額も定められている。それが、納税者の選択によって変えられるというのは、どうも筋が通らないし、ましてはふるさと以外の自治体にも通用されるとあっては、いよいよもって趣旨も不明確になる。
 本当に自分のふるさとに貢献をしたいと思うならば、そんな返礼品などをあてにしないで、既定の税金以外に寄附をすればいいことである。
 どこの市町村に納税したら欲しいし得な返礼品を貰えるかと眼の色を変えんばかりに選んで納税をする、などどう考えてもよい制度と思えないから、反対の意見を述べたのである。
 こんな制度はできるだけ早く止めた方がよい。自治体の職員もこういうことで余分な仕事を負担するだけの余裕はないのではないか。ふるさと納税について返礼品の選定、発送などに当たっている職員を減らして浮いた人件費分だけでも全国的に減税する、というなら賛成である。
 返礼品として売り込むために宣伝などに汗をかいているような業者にはお気の毒であるが、ふるさと納税などという思いつきは早く止めた方がよいと思うが如何。
 
 


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