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相澤英之 のメッセージ 「地声寸言」 |
2014.10.22リリース |
第百八十六回 <これから> |
「これから」という意味は、今後日本の政治体制はどうなって行くのか、という質問を度々受けるその答えである。
正直言って、私にも思いが固まらないから返事のしようがないのである。 新聞などは国会は自民の一強状態だと言う。議席を占める数などから見れば確かにそうである。そしてさらに安倍の指導態勢は続きそうである。 そもそも中選挙区制から小選挙区制に切り替わった時の合言葉は二大政党が交互に政権を握るという政党政治の理想を実現するためということではなかったか、と思う。 この選挙制度の切換えが齎した効果は大きかった。野党民主党が大勝して政権をとったも、再び自民党の政権が実現したのも小選挙区制の効果で、中選挙区制の頃よりも遙かに容易に多数党が変りうる、というより、変わるからである。 候補者の選挙運動のやり方が変ってきた。中選挙区では、例えば定員四人のところでは投票数の四分の一を確保すれば絶対に当選するから、候補者は右顧眄た眼をしないで、四分の一の有権者に向けて己の信念を語り、政策を示し、支持者として確保しておけば絶対に落選することはなかった。 ところが、小選挙区ともなれば、二分の一の投票を確保するためには有権者の半分以上、実際には有権者の誰にでも歓迎されるような政策を揚げ、皆に気に入るような行動を示さなければならない。となれば、これと言う確かな政策を示せない。 こうなるとその時々のいわば風の吹きようで流れる票をできるだけキャッチするようにしなければならない。となれば、何時でもハッキリした政治行動をとれなくなる。 風の吹きようによっては、トンでもない人がアッと言う間に当選したりする。その例はことかかない。それでいいのだろうか。 最近時々巷間聴くことは、政治家も小物になって来た、ということであるが、それは小選挙区になったことも関係がない、とは言えないと思う。 猿は木から落ちても猿だけど、政治家は落選すればただの人になって仕舞う、という名言は今でも通用する、それだからこそ、そしてそれなるが故に絶えず選挙のことばかり考えては、本当にいい政治家が育たないのも本当ではないか。 参議院の比例区には全国区がある。ここには選挙区に比べて与野党の割合の変化は少ない。少数党もともかくも議席は確保しうる。公明党や共産党が昔から比例区の議席数を減らさないようにと、できれば比例区の議席を増やしたいと言うのは、それは国民の声を正当に反映するから、というもっともな、或いはもっともらしい理由の裏にその方が彼等にとって有利であるからという理由が厳存しているのは間違いない。 第二次大戦後、東西の冷戦が激化しつつあった頃、共産党政権がいたるところで発生し世界はまっかっかになるのではないか、と見られていたが、今は、ソ連邦が崩壊し、ロシア共和国は社会主義ではなく、共産党支配の中国は次第次第に資本主義化してきていて、少数の大金持と大多数の下層階級との二極構造が次第に明らかになりつつある現状をなんとみるか。 |