back 代表理事 相澤英之 のメッセージ
       「地声寸言」
  2013.05.20リリース

第百三十五回 <企業の農地取得自由に>
 政府の産業競争力会議で民間議員がまとめた農業成長力強化策の堤言である(二五四・六)。
 TPP参加の是非を論じる以前に、農業を守りの産業を積極的に生命の源の食糧を供給する産業として発展さすためには、農業の経営形態を改めなければならない。
 企業が農地を自由に取得できる規制緩和や農業生産法人への出資規制の撤廃などが急務である。
 自由に株式会社の参入を認め、出資規制の上限を撤廃するなど、一言で言えば企業が自由に農地を利用し、農業を行いうる体制に改むべきだとされながら、農協を中心とする在来の農業団体の強い反対で、政治がからみ実現出来なかった。
 私は、昭和三十年代農林省担当の主計官として予算を通じて農政にながいことかかわっていた。戦後、農地解開放、自作農維持創設にかけた純粋な農林官僚、農林関係議員の情熱は素晴らしかった。八郎潟の千拓を例とする大規模な土地改良事業、耕種改善などによりさらに、農業近代化資金、農業構造改善事業などの創設によって農業生産力は増強された。
 今や時代は移った。少子化現象の進行はとくに農村に題著で、農業の主たる荷い手の老令化、激減によって、減反政策などをしなくても放棄される農地が増えた。
 農協は農業実施面での指導的役割を果せず、もっぱら農業貯金、共済というような金融事業が中心となり、取引を宗とするようになった。この体制を維持することに汲々としているのではないか、と思える程である。
 しかし、農業団体は政治の上で、とくに保守勢力の強い地方では無視できない存在である。
 しかし、このままの体制でいいとは言えないことは感じられている。
 自主流通米制度の創設に始まった農作物の産地と消費地直取引(市場を通さない)施設農業の展開などにより、安定した価格と量で都市の住民に農作物を供給するルートも増え、又、太くなる。
 それでも、九尺干頭一歩を進めるためには、もっと企業の自由な農業参入を認めなければならない。ハッキリ言えば、そこにしか、農業団体ではない農業者の将来に向って発展して行く途はない、と思っている。
 TPPに加入することは、さらに重要な難しい課題を貰ったことになる。私は、どこまで、農作物について諸外国が例外を認めてくれるがわからないが、それによる所得の減少について徒らに個人補償を行うとするより、農業の、それこそ近代化を推進するために思い切った補助、融資を実施した方がよいと思っている。補償は何といっても後向きで、将来の光を暗くする対策ではないか。
 
 


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