back | 理事長
相沢英之 のメッセージ 「地声寸言」 |
2010.01.05リリース |
第五十五回 <「年頭に際して」> |
明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜敷くお願いいたします。
平成二十一年はいろいろな意味で変革の年であったと思います。リーマンショックによる金融不安が世界の経済全体に大きなダメージを与えたこと、わが国について言えば八月の総選挙で五十年以上も続いた自由民主党政権が崩れ、民主党政権が誕生したことなどであります。 民主党政府になって以来、自民党時代のもろもろの政策を一新するような勢いでいろいろなことが行われて来ましたが、経済面に限って言えば、デフレ状況はいっこうに改善されず、株価こそリーマンショックによって大暴落した水準をかなり回復することができたものの、まだ二番底さえ心配されるという状況であり、史上最大規模の平成二十二年度予算は年内に編成されたものの、即効性のある公共事業費の大幅削減などのマイナス要因が働らいて、これからの経済に明るさを点じるような案ではありません。 公共事業を削っておいて、繰り上げ施行をするという矛盾したことを言っているようでは、大きな期待を持てないことは明らかであります。 何とか、世界の他の国なみに景気が回復するような手を打って貰いたいと思いますし、自民党も頑張って貰いたい、と思っております。 平成四年以来、大蔵週報(大蔵省、現財務省所管財団法人日本システム開発研究所発刊)に鬼面子のペンネームで「直球・曲球」という名のコラムを毎回休みなく書き続けて来ましたし、又、それを二年分ずつ纏めて単行本として刊行してきました(ぶんか社)。同報は事情により平成二十年休刊とすることになりましたが、このコラムは引き続き残すこととして「地声寸言」という名称で今日まで続けて来ました。主として時々の政治・経済・社会など各方面の話題をつかまえての小論文であります。どうも本体の大蔵週報が休刊となって以来、毎週の締切りに追われる苦労がなくなったかわりに、束縛が緩んだような気持ちで、必ずしも毎週定期に地声寸言を書くことがなくなって、まことに申訳なく思っています。 今後も、この地声寸言は続けて行きたいと思っていますので、どうか読者諸賢、引き続き眼にとめて戴きたいと思っています。 |