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《 過去最高12兆4702億円 −上半期経常黒字− 》
 財務省が13日発表した2007年上半期(1−6月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同期比31・3%増の12兆4702億円となり、現行統計になった1985年以来、半期ベースで過去最高を更新した。黒字幅の拡大は4期連続。
 海外から受け取る配当、利子など所得収支の黒字と、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の黒字がともに増加したことが原因。
 所得黒字は20・3%増の8兆4614億円と8期連続拡大し、過去最高を記録。5期連続で貿易黒字を上回り、日本経済は貿易以上に、対外投資からの収入に依存する構造に転換していることをあらためて示した。
 貿易黒字は43・7%増の5兆8612億円だった。

《 貿易黒字、9カ月ぶり減 −7月統計、原油高響く− 》
 財務省が22日発表した7月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易黒字額は前年同月比21・1%減の6712億円だった。前年実績を下回ったのは昨年10月以来。輸出、輸入額とも7月としては過去最高を更新したが、原油価格高騰などの影響で輸入額の伸びが輸出を上回り、黒字幅が縮小した。

《 4カ月連続で買い越し −外国人、7月の株式投資− 》
 財務省が13日発表した7月の対外対内証券投資(指定報告機関ベース)によると、外国人投資家による日本への株式投資は7251億円の買い越しとなった。1兆円超の買い越しだった5、6月よりは縮小したものの、4カ月連続の買い越しだった。
 国内投資家による海外への株式投資は2733億円の売り越し。銀行の信託勘定による売越幅が拡大し、2カ月連続の売り越し。中長期債投資も、銀行に加えて証券会社も売り越しに転じたため、2カ月連続の売り越しとなった。

《 年率0・5%増 −4−6月期、GDP− 》
 内閣府が13日発表した4−6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除いた実質で前期(1−3月期)比0・1%増、年率換算で0・5%増と、10・四半期連続でプラスとなった。輸出などの大幅鈍化の影響で、1−3月期の年率換算3・2%増と比べ大幅減速した。1%台後半とされる潜在成長率を下回った。
 ただ、好調な業績を背景に企業の設備投資は好調で、日銀は国内景気の底堅さが裏付けられたとの見方をしているとみられ、利上げに向けた来週の金融政策決定会合の議論が注目される。
 名目GDPは前期比0・3%増(年率換算で1・1%増)となり、デフレ期特有の名目が実質を下回る「名実逆転」現象が2期ぶりに解消した。

《 日銀が利上げ見送り −決定会合、8対1で− 》
 日銀は23日、金融政策決定会合を開き、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の年0・5%程度のまま据え置くことを、8対1の賛成多数で決めた。
 米住宅ローン問題の深刻化によって生じた金融市場の動揺を早期に収拾するため、利上げの検討は9月中旬の次回会合以降に先送りした。
 日銀は、米国とともに大量の資金供給を続けている欧州中央銀行や、公定歩合の緊急引き下げを決めた米連邦準備制度理事会(FRB)との協調を重視。市場が再び混乱すれば、資金供給拡大などの追加対策を検討するとみられる。

《 市場の動向注視で一致 −日米財務相が電話会談− 》
 尾身幸次財務相は21日午前、ポールソン米財務長官と電話で会談し、米住宅ローン問題で不安定化している世界の株式や為替などの市場動向を注意深く見守っていくとの考えで一致した。
 電話はポールソン財務長官側からあり、市場や経済の動向について約15分間意見交換した。尾身財務相は会談後、記者団に「米国も努力している様子がよく分かった。完全解決とまでは言えないが、全体の状況としてはやや落ち着いているとの印象を持った」と語った。


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