back 代表理事 相澤英之 のメッセージ
       「地声寸言」
  2014.04.02リリース

第百七十七回 <食事>
 若い頃から私は酒が好きで大いに飲んだ。今では信じられないような量である。日本酒が基本だが、ウィスキー、ブランデー、しょうちゅう、ビールと何でもであった。そしてかなり飲んでも酔っぱらわなかったし、人に世話をかけることもなかった。
 少々酔っても顔色には出なかったし、むしろ赤くなったら止める、という方であった。
 酒が入ると、ご飯を食べる量が少なくなった。酒でカロリーの補てんが足りているようであった。
 それが、年をとってきてから、量はぐんと減るようになった。以前は毎日飲まない日はなかったし、ごく稀に、夜中にふと酒を飲まなかったことに気付くことがあると、わざわざ起きて、台所で冷酒をコップにいっぱい飲んだりした。何だか記録を破っては申し訳ないように思っていたのかも知れない。
 五〇才の頃、連日ろくに寝ない予算査定の日の続いた後仕事が終わって、やれ嬉しやと大酒して帰宅の途上、気分が悪くなって救急車で運ばれたことがある。医者の顔をみたら、あら不思議や、ピタッと心臓の調子も戻ったが、酒もタバコも量を控えたらという医者に対して、酒は百薬の長というけれどタバコは百害あって一利なしと思うので、タバコを止めますと宣言して、それ以来一日百本以上吸っていたタバコをピタッと止めた。爾来一本も吸っていない。
 タバコを止め、酒を控えるようになって、食事の量が増えて来た。程々の酒はたしかに食欲増進にはなるが、基本的には体力を維持するためには食べる物をしっかり食べる必要がある。
 蒸気機関車が石炭をたいて走るように、食事を燃やして走る人間の体であるから、毎日きまってきちっと食事を取ることが大事なのである。
 この頃は、医者にいろいろ食事の制限を言われてそれを守るようにしているが、結局は医者を含めていろいろな意見を参考にしつつ、自分で食事の態様を決めて行かなければならない、と思うようになって来た。
 以前は、昔から言い伝えのように、手をつけたら残すな、残すなら手をつけるなという親の言いつけを守っていたが、今はおいしいと思うだけ食べて、後は残しても勿体ないなど思わないようにしよう、ということにしている。
 そして、何よりも太らないように食べ過ぎないように注意している。
 酒は? 酒は残念ながら殆んど飲まない。うまいワインか酒をほんの一口食前に飲むだけである。
 
 


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